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プリンターも脱使い捨てでいきたい...けど

by おとこざわ・とおる

プリンターや家電製品が、購入して保証期間をちょうど過ぎた頃に「いきなり」故障したり、何度も着ていない服が簡単に破れたて「残念ながら」修理できなかったり…(中略)こうした問題は、新しい製品を購入させるために、生産者が意図的に製品寿命を短くしているために起きている。

引用:「脱使い捨て」でいこう!~世界で、日本で、始まっている社会のしくみづくり(瀬口亮子)※以下同じ

 「「脱使い捨て」でいこう!~世界で、日本で、始まっている社会のしくみづくり」(瀬口亮子、2019年2月)を読みました。

 廃棄物を少なくする方策の調査研究や現場での活動を行っている著者が、レジ袋やペットボトル、過剰包装、食品ロスを減らす、あるいは長く使う、修理する、シェアするといった資源環境保護対策について、世界各国や国内の取り組みをわかりやすく著した本。

 

 私の自宅では、パソコン用のプリンターを 2台使っています。

 1台はモノクロレーザーで、トナーに純正品の数分の1の価格で手に入る互換品を使用。20年以上はそうしていますが、幸い大きなトラブルに見舞われたことはありません。

 もう1台はインクジェットで、こちらもインクに互換品を使っていますが、レーザーに比べるとインクづまりなどリスクが高いように思えるのですが、めずらしいタイプのものを見つけました。

 純正品のカートリッジを分解して外枠だけにする。そこにインクの入った内部カートリッジをカチッとはめ込む。つまり純正品を収納容器として再利用する。

 リサイクルと故障などのリスクのバランスがよく考えられたものだと、好ましく思っています。ちょっとトラブルもありましたが、コールセンターの対応もよくて使い続けています。(→Bell Collar スマートカートリッジ

 ところが、互換品は安くてよいのですが、純正品トナーと違ってメーカーの回収ルートには乗せられず、リサイクル(再生)ができないという大きな問題があって、心で恥じ入りながらも家庭ごみとして捨てていますm(_ _)m。

 プリンターメーカーは、コピー機メーカーからの出自が多く、機械本体よりもトナーの料金を割高に設定し、ランニングコストで儲けるビジネスモデルが源流です。プリンターも以前からこのような傾向を「インク商法」と揶揄されていましたが、ここ数年それがエスカレートしているような気がします。

 冒頭の文章は、生産者による製品の意図的に短くしている「計画的消耗」のためであるとの アメリカの大学教授の指摘に続いています。

これは巨大な浪費のシステムの問題である。企業がこの戦略を取れば、品質の低下により生産コストは下がり、使用期間の短縮により売り上げは増加する。企業は二重の利益を得ることができ、このシステムの勝者となる。一方、人々が製品を半分の期間で買い換えれば、生産時の労働と資源使用量は2倍必要になり、廃棄時のごみは2倍となる。消費者と環境が、このシステムの敗者となる。

 プリンターメーカーとしては、他のサードパーティメーカーに模造品を簡単に作らせないようカートリッジの一部に製造困難な機構を搭載する。例えば、明らかなのはトナーやインクの残量が計測されず、互換品を装着したら残量がゼロのままとなり、それだけで機械に悪影響なのではないかと、使用者が不安にならざるを得ないようなしくみとか。

 携帯電話のキャリアも機械本体の価格を、月々の純粋な使用料に上乗せすることで、ゼロ円ケータイなど機械本体を安く見せている販売手法が問題になり是正される方向に向かっていますが、プリンターも同じ問題を抱えています。

 SDGs(持続的発展が可能な開発目標)が重要になっているのは明らかで、メーカーごとさらに商品のラインナップごとにインクカートリッジの形状や仕様が異なる今の方式を止めにして、標準化の方向に進んでいくといいのですが。

 昨年、大学に入学して家を出た娘には、インクの残量や買い替えのお金を気にせず使えるように、カートリッジを交換せず、インクがなくなればインクを入れるというシンプルなしくみのプリンターを与えることにしました。(→エプソン エコタンク

 自宅のモノクロレーザープリンターの話に戻りますが、7年ほど使って紙送りのローラーが完全に摩耗したのでした。本来は修理したいところなのですが、製造後年数でも非純正品を使っていることからもメーカーでは引き受けてくれず、引き受けてくれたとしても買い替えより高いでしょうし、自分で部品を調達して交換するほどの技術力もなく、仕方がないので分解して小さくして家庭ごみに出しました(T_T)。

 同時に、同じメーカーの新しい機械を購入しましたが、まだ1ヵ月にもなっていないのに付属のトナーカートリッジのトナー残量がゼロとなりました。印刷枚数は100枚はいっていないでしょう。もっとも、トナーはサンプル品と銘打っており、カートリッジに満量は入っていないと明記はされていますので文句は言えませんが、以前は数ヵ月は持っていたのに。

 加えて、残量わずかの警告を過ぎてゼロになったら、電源ボタンを押してもシャットダウンすらできなくなったので、電源ケーブルを抜かざるを得なくなりました。

 これはたまたまのトラブルだろうか、それとも利用者に警告を与えるための新たな手法だろうか。あまり好ましくは思えません。

 同書のあとがきから。

一番大事なことは「責任を持つ」ことです。新しいモノを買う前に他の方法を考え、買う場合は値段だけでなく、環境やエシカル(倫理的)の視点を持って選び、買ったものは無駄にせずに大切に使い、自分が使い終わった後は捨てる以外の方法を考え、捨てる場合は適正に行う。毎日消費する様々なものについていちいち考えるのは大変ですが、地球から資源を取り出して使わせてもらっている、しかも、貧しい国々や将来世代の分まで使ってしまっている立場として、誰もが自己責任を自覚することが必要です。そして、それを誰もが自然にできるような社会のしくみを作ることもまた、私たちの責任なのです。

 そのコストは、現代の日本の私たちも知らず知らずのうちに負担していることを自覚したいものだと思います。

 以前のブログでも書きましたが、税金をいちばん無駄遣いしているのは市民である。同じように、高いコストを作り出してしまっているのは消費者である。

(追伸)

この文章を書いた翌日には新しい互換トナーカートリッジが届きました。動作に問題はないのですが、濃度が薄い。文字が少しグレーになってしまっています。なかなかうまくいきませんね ^^;

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